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2005年9月21日 (水)

『最初の入院』① Crohn's Disease-5

二度目の入院話を書いてから最初の入院の話を書くのは何となく本末転倒な感じもしますがとりあえず記録として残す意味も含めて書いておこうかと思います。ただ長くなりそうなんで3回ほどに分けて書きたいと思います。

2004年4月20日朝

リビングでおそらく生涯最後の1本となるマルボロライトをくゆらせながら悩んでいた。病院行くべきか行かざるべきかと。

本当はそんな選択の余地は無かった。前夜ありえないぐらいの量の下血をし耳鳴りを伴う重度の貧血に襲われ、這うようにして自分のベッドにもぐりこみともかくも朝になったらよくなっているだろうという何ら根拠の無い思いを抱き朝を迎えたが状況が良くなっているわけも無かった。

それでも病院にいくことをためらっていたのは無類の病院嫌いであるという僕のメンタリティー以外説明できる要素は無い。ともかく子供のころから病院が嫌いだった。何かトラウマになるようなことがあった記憶は無いが熱を出そうが腹が痛かろうがともかく市販の薬で治すことをおそらく十数年続けていた。だからこの期に及んで病院に行くのは何となく自分のプライドが許さなかった。と言えばなんかかっこいいが早い話根性なしで病院で何をされるか分からないということにビビッてたに過ぎない。

しかしゆっくりタバコをくゆらせようが穏やかにホットミルクを飲もうが体調が良くなるわけはない。あげく母親があまりの顔色の悪さにおののいてしまい(入院後看護師にも尋常じゃないほど白い顔をしていたと言われた)救急車を呼ぶ呼ばないと軽くパニックになり始めたので覚悟を決めタクシーを呼び近くの総合病院に向かうことにした。

20分ほど後病院に着く。火曜の外来は適度の混雑振りであったがそんなことを感じている余裕など無い。ともかく初診に伴う手続きをするため受付へ向かう。がたどり着けなかった。受付の手前数メートルのところで足が進まなくなりよろけるように椅子に座り込んだ。「やべえなあー」と思ったところに「大丈夫ですか」という天使の声。見れば看護師がこちらの異変に気づき近寄ってくる。いやーやばいです」と蚊の泣くような声で答えるこちらに間髪いれず「車椅子持ってきますからちょっと待っていてくださいね」という言葉を残し駆け出す天使の看護婦。あとから考えればおよそ天使という風貌ではなかったがそのときは本当にそう感じた。

車椅子に乗せられ運ばれた場所は診察室ではなく内科外来の観察室。ベッドが10床ほどおいてあるスペースで点滴をしたりあるいは少し横になって休む場所のようであるがそのときはそこが何なのかはよく理解してなかった

「どうされました」天使の看護師に代わりいかにもベテランという風体の看護師がこちらに穏やかな笑顔でしかしはっきりとした口調で問いかける。「昨日の夜下血しました。」どのくらい?」「かなりの量です「昨日がはじめて?」はい。いや前々から便に血が混ざることはありました「いつぐらいから?」1ヶ月ぐらい前から分かりました。もうちょっとしたら先生に見てもらいますからね。」

穏やかな笑顔で会話を打ち切り踵を返したその看護師の後姿を見ることも無く視線を閉じるでもなく宙をさまよっていた。もちろんこの会話がはっきり明瞭に成立していたわけではない。おそらくはか細いこちらの声を精一杯理解してくれたんだと思うといまさらながらありがたい気持ちもある。

どのくらい時間が経ったのか定かではないがともかくもすぐにドクターが来るようなことは無かった。その間となりのおばあさんが気持ちよさそうにかくいびきのリズムにこちらはすっかり眠るタイミングを逸してしまっていた。

不意に閉められていたカーテンが開けられ初老の医師が若い看護師とともに現れる。「どうしました?」「いや昨日下血して。」あー、貧血ひどいね。」「だから下血したって言ってるやろ!じじい」と心の中で叫ぶ声は本当の声としては発せられずただ弱々しくうなずくのみであった。とりあえず採血とレントゲンと点滴しとこうか。」と隣の若い看護師に指示をするじいさん医師。しかし次の瞬間「あっ、痔かも知れんな。見とこか。おしり出して。」とさらりと言いだす。「じじい!痔であんなに血が出るか!ぼけ!」という心の声はまたしても実際には響かず無抵抗に「はい。」と若い看護師を意識することもなくおしりをさらけ出している自分が誇らしげでもあった。(当たり前だが痔ではなかった)

それからまたどのくらい時間が経ったのか定かではないがレントゲンを撮り採血をしまたしばらく観察室のベッドで休んでいたがようやく診察室に呼ばれた。入るなりじいさん医師は「うーん。これは慢性腸炎かもしれんな。これだけでは何とも言えんから今から大腸ファイバーやってきてくれるか。」「大腸ファイバー?」そう。おしりからカメラ入れて腸の様子を見る検査。」おそらく普通なら生粋のビビリ根性むき出しでおろおろするところだろうがもはやそんな気も起こらなかった。ただ浮かんだのは「またおしり見せるのか。」ぐらいであった。

こうして一度目の大腸ファイバーの検査に向かうことになる。(続く)

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受信: 2005年9月21日 (水) 21時14分

コメント

続編楽しみにしています(^_^;)
昔のことを思い出しながら書くのも
なんか楽しいですよね?
って俺だけかな?(^_^;)

投稿 くろーん調理師 | 2005年9月21日 (水) 10時50分

くろーん調理師さん。コメントありがとうございます。

楽しみにされると思いのほかプレッシャーですが(笑)
でも意外と昔のこと覚えてるもんだと書きながら思いました。もう一年半前のことなんですけど。
われながらたいした記憶力だと感心しております。
一応予定ではあと2回ぐらいに分けて書くんで。
決して期待にこたえられるものではないですけど楽しんでもらえれば幸いです。

投稿 shin | 2005年9月21日 (水) 11時19分

そこまでひどい状態でも我慢してるなんて、
根性すわってますねぇ。
僕も続編を楽しみにしてま~す。

投稿 crohntrooper | 2005年9月21日 (水) 20時34分

crohntrooperさん。コメントありがとうございます。

根性があったから病院に行かなかったのではなく根性が無いから病院に行かなかっただけですよ(^―^)

続編はあんまり期待しないでくださいね。
そんなにおもしろいエピソードないですし期待されるとがっかりさせちゃうと思うんで(^―^)
お願いしますm(_)m

投稿 shin | 2005年9月21日 (水) 22時16分

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